問題解決の進め方、試験終了

全14問、うち1問が200字の記述式でした。

追い込みでちゃんと勉強したし持ち込み可だったので、選択問題の13問はおそらく大丈夫、なはず。

問題は記述式。ノート必携だったのは下書き用か?Twitter追いかけると「200字でまとまらなかった」というツイートがちらほらあった。一方の私は、200字でまとめきれなそうだったので思い切り端折ったら150字にも満たず、でも(もういいや…)とそのまま提出して早々に退室。

さて結果やいかに!?

明日から単位認定試験が始まります

先日郵便受けに入らない郵便が届きました。郵便局に取りに行って受け取ったのはコレ。

分厚い…。前期がまだ終わっていないのに、早くも後期のシラバス等々が届いた様子(未開封)
それよりもまずは試験に合格して単位を取らねば!明日は「問題解決の進め方」の試験です。

スタバで最後の追い込み中。とは言っても印刷教材持ち込み可なので多少気はラクです。

がんばるぞ٩( ‘ω’ )و

通信指導提出期限は6月7日17:00まで

放送大学はいつでもどこでも授業を聴けるのがいいところなのですが、そのせいで、定期的に授業を聴かなくなるという私の悪い癖も見え隠れ。

次の水曜日が通信指導の提出期限です。これを出して点数を取らないと学期末試験が受けられないので、追い込みでこれからまとめて勉強します。サイゼリヤで!

声に出して覚える外国語

「外国語を学ぶ目的は何ですか?」
旅行に行った時に会話で困らないため?
資格試験に合格するため?

 

私は、実践的に使えるようになることは第一の目標としていなくて、学問として、様々な言語を知りたいという知的好奇心を満たす目的の方が大きいです。

それでも勉強する以上は、基礎の基礎くらいはしっかり身につけてなんとなく使えるようにはなりたいと思います。

 

言語を勉強する方法はいろいろあります。英単語を覚えるにしても、単語帳をひたすら読んで(目で追って)暗記するのが得意な人。読むだけでは足りないので実際にノートに書いて覚える人。目的に適した学習法はあると思いますが、どんな方法も言語を学ぶ上では手段として間違いはないと思います。

その中で私は、「実際に発音してみる、声に出して読んでみる」というのは有用だと思っています。根拠はないですが経験上。新しい言葉やフレーズを覚える時、ただ目で見て覚えるだけでなく、口に出してその言葉なり文章なりを読んでみるのが効果的だったように思います。頭ではなく体が覚えていく、というんですかね。

 

発音する時に1つだけ心がけるとすれば、できればネイティブの発音を聴いて、それを忠実にマネしてその通りに発音するのがよいと思います。正しい発音を覚えるコツになりますし、それっぽく話すことで新しい言葉を学んでいる感じを楽しむこともできますし(笑)

ラテン語で「Perfume」を読む(後編)

さて、後半の文です。たかが4語、されど4語です。

Hiroshimae?

後半最初の単語は固有名詞、もちろん広島のことを表しています。

それはいいのですが、なぜHiroshima”e”と末尾にeが付いているのか。ここが疑問です。

答えから言うと「Hiroshimaが格変化したから」なのですが、では、何という格になったのか。

ラテン語の格一覧

その前にこの辺りでいいかげん、ラテン語にはどんな格があるのかを紹介しておきましょう。

これまで、語尾変化パターンを載せる時に5つの格を書いていました。主格、属格、与格、対格、奪格です。与格以外は既に読んできた文の中に出てきました。基本的にこの5つの格は押さえておく必要があります。

そして、この基本的な5種類の格以外に、もう2つ特別な格があります。放送大学の授業「ラテン語の世界」でも、「あまり出てきませんが…」という前提で紹介されていました。呼格と地格です。

今回出てきたHiroshimaeは、固有名詞のHiroshimaが地格に変化したものです。原文でこんなに早くお目にかかるとは私も意外でした。Hiroshimaに-eが付くことで、「広島で」という場所を表しています。

anno 2000

広島で、の後に2000が出てきているので、きっと「2000年」という意味だろう、と推測できますが、調べてみましょう。

annoはそのままでは辞書には載っていませんが、年を表す単語だと思って眺めてみると、近辺にずばりな単語があります。

annus -i, m 年

このannusが格変化してannoになったのですが、ではどの格になったのか。annusの変化パターンを見てみましょう。

annoが2つありますね。与格と奪格です。ここでは奪格として使われています。

時を表す奪格

今までに出てきた奪格は、

in Asia Orientali 東アジアに

と、前置詞inの後に奪格が来て「〜に」という意味になるお決まりのパターンでした。

そして今回は、奪格のannoと数字(今回は2000)が一緒になって「2000年に」と時間を表す意味になる、これまたお決まりのパターンのようです。この場合は前置詞はいらないんですね。

奪格は私もあまり馴染みがないのでまだよくわからないのですが、こういう使われ方もするようです。

constitutus

最後の単語です。Perfumeは「広島で2000年に」どうなったのか。ここまで来れば、そして似たような英単語があったような気が?と思い至れば意味を推測できますがやはり辞書を引きましょう。

constituo -ere -titui -titutum 立てる、置く

ここで、「日本を読む」編の前半の最後、positaを思い出してください。
これは、ponere(置く)の語尾変化パターンの最後に出てきた、positumの女性形で、「置かれた」という過去分詞でした。

もう一度、ponereの辞書の見出しを確認しておきましょう。

pono -ere posui positum 置く

constitutusも、constituoの最後に書かれている-titutumが変化したもので、役割としては過去分詞になります。辞書に載っている他の意味も考慮すると、ここでは「結成された」という訳がよさそうです。

constitutusは過去分詞の男性形ですが、ではなぜ男性形が使われているのか。これは、結成されたのが「グループ」で、前半に出てくるgrexに係っているからです。grexは男性名詞なので、constitutusも男性形になったんですね。

まとめ

これで文の分析が終わりました。前半と一緒に訳すと、

「Perfumeは、2000年に広島で結成された、ポップミュージックの、日本人女性シンガーでありダンサーのグループです」

となります。だんだんラテン語にはどんな特徴があるか掴めてきたでしょうか。

2017年度前期のテキストが届きました

無事に入学手続きを終え、4月から放送大学の全科履修生です。

 

早速、前期のテキストが届きました。語学分野からは「初歩のスペイン語」、それから一般教養で「問題解決の進め方」の2講座です。

 

スペイン語は私にとって、初めて英語以外の外国語に興味を持つきっかけになった言語です。

 

高校生の頃です。映画「タイタニック」が大ヒットして、それと共に主題歌も大ヒット。私も「My heart will go on」が収録されたCeline Dionのアルバムを手に入れてよく聴いていました。

その収録曲の1つに、スペイン語の歌があったのですが、その歌とスペイン語の響きに惹かれて、スペイン語に興味を持ったのがきっかけでした。

Amar Haciendo El Amor

 

そしてその流れで、NHK教育のスペイン語講座を見てみたのですが、その時にMichael Stuartという歌手のスペイン語の歌が紹介されて、その歌にもまたハマったのです。

 

Amor a primera vista
https://youtu.be/wvhDo2BrRws

 

そんな感じでスペイン語を知ってから、折に触れてちょいちょいスペイン語のことを調べたりしたことはあるのですが、本格的に取り組むのは今回が初めてです。

勉強を進めながら、ここでもまた取り上げたいと思います。

ラテン語で「Perfume」を読む

ラテン語の「日本」のページをスクロールしていたら、下の方にこんな記述があったのです。

モーニング娘。とPerfumeが日本の文化として紹介されていて、さらにラテン語のWikiのページまで用意されてるんですね!

せっかくなので、そっちも読んでみたいと思います。私の学生時代はモーニング娘。ブームでしたが、個人的に好きなのはPerfumeなのでPerfumeのページにジャンプ。

まずグループ名の表記が英語をそのまま採用ではなくて、ローマ字表記なんですね。

Iaponiaを読み進めた時に比べたらありがたいことに文が短いです。

しかしながら、文法に関する新しいこと、新しく説明しないといけない格が2つ登場しています。

まずは前回同様、文を書き起こして、Wiki内で意味がわかる単語は意味を調べて書いておきましょう。

grex

前回、

Iaponia est civitas sui iuris

で、「日本は主権国家体制」となりました。

英語もそうですが、be動詞というのはその前後の単語が、イコールな関係ですよー、という印のような語(動詞)なんですね。

ここでも、estというラテン語版be動詞の三人称単数形が、Pafyumu=grexの、イコールの役目を持っています。

そこから推測して、このgrexはどういう意味か?歌手?アイドル?女の子たち?芸能人?いろいろ推測できますね。

では答えを調べましょう。

ぐーぐるほんやくー(大山のぶ代風)

前回同様、辞書を使ってももちろんいいのですが、今回は、ここでもネットの恩恵にあずかって、Google翻訳を利用してみましょう。

この時、英語にアレルギーがなければ、ラテン語→英語で翻訳するのがオススメです。

もちろん、ダイレクトに日本語に翻訳してもいいのですが、その場合、ラテン語→英語→日本語、って翻訳しているように思うので。

なるべく英語のニュアンスで解読する方がいいと思います。

私はGoogle翻訳のアプリをインストールしているのでアプリから。

herdと出てきました。これ、「(動物の)群れ」という意味ですね。

「Perfumeは群れ」、なんかイヤな訳です…

まあ、「グループ」という意味合いで使ってるんでしょうけど。grexという単語が適切かどうかはおいておいて、
意味としてはそんな感じです。

説明は後ろから

前回の前半の文、

…civitas sui iuris in Asia Orientali posita, …

civitas sui iurisの後ろのin Asia Orientaliとpositaという語がどういうcivitasかを説明している、と書きました。

ここでも、grexに続く語たちが、どういうgrex、グループなのかを説明しているのです。

後ろのIaponicarum, cantatricum,saltatricumという3語、見て気づくことがありますね。全部、語尾が-umというパターンで終わっています。

Iaponicarumは、日本Iaponiaをどうにかした形なわけですが、語尾パターンから格を突き止めたいと思います。

まず、Iaponiaをどのようにした形なのかを突き止めましょう。

私の持っている辞書には、そのままで載っていないので、今回も、Google翻訳の力を借りようと思います。

ラテン語→英語で、ラテン語のところにIaponicarumと入力しました。

何も変換されません。

語尾パターンは認識されていない可能性があるので末尾から1文字ずつ削っていきましょう。

すると、IaponicaのところでようやくJapaneseという翻訳が出てきました。

Iaponicaは「日本人の」という形容詞なんですね。正確に言うと、その女性形に当たります。

ここまでわかれば、今度は形容詞の語尾パターン一覧を見てみましょう。

語尾が-rumで終わっているのは、複数形、属格がクロスするところです。

はい。これで、IaponicarumはIaponicaの複数形属格ということが判明しました。

属格がどういう役目を持っているかは後でまとめることにしますね。

韻を踏んでいる?

語尾パターンが同じだと、他の語も同じ格の可能性があります。

前回の「日本」の後半の文、頭を見てみましょう。

…, insulasque permultas in mari Pacifico …

この最初の2語、-queという接語辞が付いていますが、insulasとpermultasで見ると、語尾が-asで同じ、格は女性形・複数・対格でした。

韻を踏んでいるような感覚ですかね。定かではありませんが。

さて、その韻を踏んでる説が正しければ、この後に続くcantatricumやsaltatricumも語尾が-umで終わっているので、同じく複数形・属格の可能性が高いです。

では実際に、cantatricumの語尾変化パターンを見てみましょう。

まずは原形を。今回は辞書を見てみます。

cantatricumは辞書にそのまま載っていないですが、近辺に、

cantatrix -icis, f (女性)歌手

という、Perfumeを説明するのにふさわしい単語がありました。この語がcantatricumの正体です。変化パターンは以下のとおりです。

予想通り、複数形・属格の形と一致しましたね。

saltatricumも同じです。辞書には、

saltatrix -icis, f (女性)踊り子

と載っていて、これまたPerfumeを説明するのにふさわしい単語です。

ちなみに真ん中にあるetは英語のandと同じ、「〜と」という語です。

結局、属格って?

最後のmusicae popularisも意味はWikiサーフィンで「ポップミュージック」とわかっていますが、形が違うので調べておきましょう。

Wikiの見出しではmusica popularisとなっています。musicaeはmusicaに語尾-eが付いた形ですね。

辞書を引いてみましょう。

musica -ae, f 音楽

となっています。見出しに-aeという語尾パターンも一緒に載っています。

ここで、辞書と仲良く編で放置していた伏線を1つ回収しましょう。

civitasを思い出してください。辞書にはこのように載っていました。

civitas -talis, f 国家

この、-talisは何かと。あの時は放置していたのですが、もう避けては通れません。

単語が名詞の時は通例、単数形の主格が見出しで続いて単数形の属格の語尾パターンが一緒に載っています(だいたいの場合)

つまりcivitasの場合だと、単数形・主格がcivitasで、単数形・属格がcivitalisということが辞書からわかるのです。

名詞の見出しがわかったとして、じゃあなぜ単数形の主格と属格だけが見出しに載っているのか、ですが、その理由はここではいったん放置しておきます(結局)

ということで辞書を見る限りでは、musicaeはmusicaの単数形・属格というのがわかります。

で、結局、属格って…?

grexの後に属格ばかり出てきていますが、結局のところ、属格って何?ということです。

これは、名称が異なっていますが、英語の所有格、「〜の」と同じ役割をもつ格です。何かに属していることを表す格、と理解するといいかもしれません。

日本人「の」
シンガー「の」
ダンサー「の」
ポップミュージック「の」

属格が持っている意味合いはこんな感じです。それが、grexという語に説明を付け加えているんですね。

でも、1つだけ仲間はずれがいますね。わかりますか?

Iaponicarumはもともと形容詞だったから別に属格にしなくても、「日本人の」という意味があるじゃないか、と。

はい。そうなんですが、ここでは属格にしないといけない理由があるのです。

ここでようやく文構造を見てみましょう。

Iaponicarum cantatricum et saltatricumまでが一まとまりで、前のgrexにかかって、「日本人の歌手であり踊り子のグループ」となります。

このcantatricumやsaltatricumがそれぞれ、「〜の」という意味を持つ属格になっているので、それと同じまとまりのIaponicarumも一緒に属格にしてあげないといけないのです。

そして後ろのmusicae popularisも属格ですが、これはその前の、「シンガーかつダンサー」という一まとまりにかかって、「ポップミュージックの」という意味になっています。

まとめ

まとめて訳すと、

「Perfumeは、ポップミュージックの、日本人女性シンガーでありダンサーのグループ」

という感じでしょうか。

ところで、musicae popularisは組み合わせで1つの語になっていますが、popularisも一応見ておきましょう。

popularis -is -e, adj 庶民の、一般に広まっている

このpopularisの格は何かわかりますか?

musicaeと一緒に前の語にかかっているので、これも属格です。

popularisは見出しである主格がそのままの形なので引っかかってしまいそうですが注意が必要です。

短い文なので1エントリーで終わるかと思いましたが、長くなってしまったので、後半は後編に回すことにします。

 

ラテン語で「日本」を読む(まとめ)

いろんなことをすっとばしたものの、
最初の1文を一通り説明しました。

説明が足りていないところはありますが、
これまでのまとめをしておきましょう。

名詞

辞書には通例、
見出し語、変化パターン、性
の順で載っています。

civitas -talis, f 国家

ラテン語の名詞には性が3種類あります。
辞書のfは通例、女性名詞を表します。
mは男性名詞、nは中性名詞です。

役割によって形が変化します(格変化)
見出しに載っているのは、「主格」というメインの形です。

「○○を××する」という文の○○の役の時は、「対格」という形に変えます。

Iaponia insulas permultas tenens.(日本は非常に多くの島々を持っている)

insulasが「島々を」という役割なので対格になっています。

形容詞

辞書には通例、
見出し語、変化パターン
の順で載っています。

permultus -a -um 非常に多くの

一緒に登場する名詞の性に合わせて、形容詞も形が変わります。
さらに、役割によって格変化します。

さっきの
Iaponia insulas permultas tenens.では、
対格のinsulasを修飾するpermultasも対格になっています。

通例、説明する語の後ろに付けることが多いように思います。

前置詞

inは後ろに「奪格」の語を伴って、「〜に」という意味になります。

in Asia Orientali(東アジアに)

propeは後ろに「対格」の語を伴って、「〜の近くに」という意味になります。

prope Sinas, Coream, Russiam(中国、朝鮮、ロシアの近くに)

動詞

辞書には通例、
一人称単数形、原形、(??)、過去分詞形
の順で載っています。

pono -ere posui positum 置く

estは英語のisと同じ、be動詞の三人称単数現在形です。

過去分詞形は「〜される」という意味で形容詞的に使われます。

現在分詞は動詞の語幹に-nsを付けて「〜している」という意味になります。

tene(tenereの語幹) + -ns → tenens

-que

単語の後ろにくっついて、「〜と…」「〜、また…」という意味になります。

Iaponia Coreaque(日本と朝鮮)

このような調子でこれからもラテン語を読んでいきたいと思います。

ラテン語で「日本」を読む(文法編その2)

この1文でどこまで引っ張れるんでしょうか。

さて、いよいよ文の後半を見ていくことにしましょう。

insulasque

Wikiでは「島」となっていますが、
ここでも辞書を引いてみましょう。

insula -ae, f 島

そうなると後ろにくっついている-squeは
語尾変化パターンの一種かもしれません。

では、insulaにどのような語尾変化パターンがあるか
実際に書き出して見てみることにします。
今はまだ、格についてはおいておきます。

アナログですね。
点の縦線は語幹と語尾の区切りです。

語尾に-sが付くパターンはありますが、
-squeは見当たりません。

語尾に-sが付くパターンは、
「複数」と「対格」がクロスしているところにあります。

insulasはinsulaの複数形対格の形なんです。

-que

では、残った-queは何なのか?
これは語尾変化パターンにはないのです。

queを辞書で見てみることにします。

-que …と…、また、そして

この-que、後接語と言われるもので、
単語の語尾にくっついて、並列関係を表す役目があります。

今回の場合は、前文の後に出てきた単語insulasの後ろにくっついて、
前の文に続いて「そして〜」という意味になります。

それにしても
語尾変化パターンの他にさらに語がくっつく場合があるんですね。

ひとまず、queが語尾に付いていたら
このパターンという理解にしておきましょう。

対格というワードが出てきましたが、訳は後でまとめて見ましょう。

permultas

ここで、その後ろのpermultasに注目しましょう。

辞書と仲良く編で、
permultusという語が性や格によって変化すると書きました。

で、いよいよこのpermultasの正体を暴いていきましょう。

まず、この語は「非常に多くの」という意味の形容詞でした。
そして、ラテン語では形容詞が名詞の後ろに来るのが一般的と
前回のAsia Orientaliの時に書きました。

これも同様で、前の名詞のinsulasqueを修飾してるんですね。
insulaは女性名詞でしたので、permultusも性を合わせて
permultaという形になります(第1形態)

そしてinsulasは「複数形」の対格でしたので、
形容詞も複数形になります。

先程は、名詞の性や格に合わせて、と書きましたが、
実は数も合わせてあげる必要があるのです。
(手間取らせやがって…)

後で活用一覧を示しますが、permultaの複数形は
permultaeという形になります(第2形態)

そして、対格になっていたので、
permultaeも対格にしてあげる必要があります。

ここでようやく、形容詞の女性形の変化形一覧を見てみましょう。

複数対格の語尾が-asになっています。
ここでようやく、文中と同じ形、
permultasになりました(最終形態)

prope

propeは大意の時に書いてましたが、
「近くに」という意味の前置詞です。
inと同じですね。

前置詞の後ろは形を変えるというルールがありました。
inの時は奪格という形が来ました。
ということは、propeの後も奪格に…としたいところですが、
実はここにも罠が…(決まりなんですけどね)

辞書でpropeを見てみると
「近くに」という意味のところに<+acc>と書いてあります。
inの時は<+abl>で奪格でした。
accは対格のことを指しています。

つまり、propeの後ろには
語を対格にしないといけないのです。

後ろに国を表す語が3つ続いていますが
いずれも対格になっています。

tenens

最後のtenensもまた曲者です。
辞書を引くと、「封建家臣」って意味の単語が載っていますが、
ここまで島の話をしているのでちょっと関係なさそうです。

そのすぐ下にteneoという動詞が載っていました。

teneo(原形:tenere)の意味は、「しっかり持つ」「捕まえる」といった、
英語でいうところのholdに近い意味です。
多くの島を持っている、ってことかな?
と解釈すればなんとなく意味は通りそうです。

ということで、種明かしをすると
このtenensは動詞tenereの活用の1つなんですね。

tenereの語幹はteneですが、
この後に-nsを付けると、現在分詞形になり
ここでは「持っている」という意味になるのです。

ちなみにGoogle翻訳でラテン語から英語に翻訳してみると
tenantと出てきました。
実はtenantという単語、ラテン語のtenereが由来のようです。

ラテン語由来の語はたくさんあるようです。
それはそのうちまた見ていきたいです。

対格とは?

さて、訳の前に前半で放置していた、
「対格とは何か?」についてまとめます。

対格とは、英語でいうところの
直接目的語に相当する格です。

insulasque permultasと両方とも複数形対格になっていました。
意味は「非常に多くの島」です。

今まで見てきた文脈から、
「(日本は)非常に多くの島々を持っている」
ということを後半では言いたいわけですが、

tenens「持っている」の目的語として、
何を持っているのかを表す時に使われる格が対格なのです。

基本的には「〜を」という助詞を補って訳すとよさそうです。

後半の訳

ようやく後半の文の文構造がわかりました。
後半の文を全部訳すと、

「(日本は)また、中国、韓国、ロシアの近く、太平洋に非常に多くの島を持っている」

といった感じになります。

これでようやく、最初の1文が解釈できたことになりました。
いやぁ、長かったですね。

ラテン語で「日本」を読む(文法編)

最初のピリオドまでが長いので、

前半のカンマのところまでまずは取り組んでみたいと思います。

est

Wikipediaのように何かを説明するものはだいたい、

奇をてらってなければ

「これこれはこういうものです」って表現になるかと思います。

 

つまり、This is a pen.(これはペンです)みたいなものですね。

 

Iaponiaの次のestは、英語でいうところのisと同じで、

ラテン語版be動詞の三人称単数形です。

 

ラテン語のbe動詞は英語より複雑に変化するので、それはまた後ほど。

 

これで

Iaponia est civitas sui iurisで(日本は主権国家体制です)となるわけです。

 

in

では次です。

inは前回の辞書編で「〜で」という訳がありました。

ここで思い出して下さい、<+abl>となっていたことを。

 

はい、ここでようやく格変化の登場です。

このablは、ラテン語の格の1つ、「奪格(だっかく)」の略です。

 

inを「〜で」という意味で使うためには

inの後に続く語たちを「奪格」という形にしないといけません。

 

では、inの後に続く語、Asia Orientaliを、

Wikiで訳がわかったので放置していましたが、これも辞書で調べてみましょう。

 

Asiaは

Asia -ae, f

となってます。女性名詞なんですね。

 

Orientaliも調べましょう。

こちらはそのまま見出しには載っていないのですが、

Orientalisという単語が「東の」という形容詞として載っています。

 

Asiaが女性名詞なので、Orientalisも女性形になっているんですね。

 

あれ、前回のpermultus -a -umのように、

形容詞は3つの語尾パターンが見出しにあるんじゃないの?って話ですが、

こういうパターンもあるのです。

 

これは、男性形と女性形が同じ場合にこうなります。

男性形と女性形で形が同じなので、

このパターンの形容詞だったら

変化パターンを覚えるのが少し楽になるかと。

 

ところで英語で「東アジア」を表記するとEast Asiaで

形容詞のEastは名詞の前に来るのが一般的ですが、

ラテン語は後ろに置くのが一般的なようです。

このあたりは他のヨーロッパ言語では馴染みがありますね。

 

さて。女性形はいいですけど、奪格はどこにいったんだと。

Asiaは見出しと同じだけどいいの?と。

見出しは主格だったはず。同じ形なの?と。

 

はい、形は同じです。「形」は。

 

このあたりはまた後で説明するとして、

とりあえず今は、女性名詞は主格と奪格が同じ綴りとしておきましょう。

 

ただし残念ながらOrientalisの方はそういうわけにはいきません。

Orientalisが女性形で、その奪格がOrientaliと最後のsが取れてしまいます。

まあ、sが取れるだけなら簡単な方です。ひとまずそういうことにしておきましょう。

 

posita

前半最後の1語です。positaはponereの過去受動分詞、女性形でした。

ponereは「置く」という意味がありました。

過去受動分詞なので「〜された」、ここでは「置かれた」という意味になります。

 

では、なぜ女性形なんでしょう。

Asiaが女性名詞だからそれと一致して?

 

となればいいのですが、

先のin Asia Orientaliはこのまとまりで「東アジアに」となっています。

 

過去受動分詞を解読するには、「何が」置かれたのか、を考る必要があります。

東アジアに「何が」置かれたのか。

 

今まで見てきた名詞だと「日本」「国家主権体制」のどちらかの可能性に絞れますね。

 

ここでちょっと補足。

国家主権体制を表すcivitas sui iurisですが、

これは、civitas、「国家」という名詞を

sui iurisという語句で後ろから説明している形式です。

なので、ここではメインの語はcivitasだとしておきましょう。

 

positaが女性形なので、

この2つの名詞のうち、女性名詞が候補になります。

 

civitasは前回見たとおり女性名詞でした。

「日本」を表すIaponiaが男性名詞か中性名詞であれば

positaはcivitasを説明している、でファイナルアンサーです。

 

しかしながら、Iapiniaも女性名詞なのです。

「日本が東アジアに置かれた」

これでも意味が通りそうですね。うーん。

 

しかし、ここで文の構造を見てみることにします。

このように、

 

estのところで文が大きく2つに分かれていて、

in以降の語は、その直前にある名詞、civitas sui iurisを説明している、

 

と見るのが自然です。

 

前半の訳

この結果、前半の文は

「日本は、東アジアに置かれた国家主権体制です」

という解釈になります。

長い…