ラテン語で「Perfume」を読む(後編)

さて、後半の文です。たかが4語、されど4語です。

Hiroshimae?

後半最初の単語は固有名詞、もちろん広島のことを表しています。

それはいいのですが、なぜHiroshima”e”と末尾にeが付いているのか。ここが疑問です。

答えから言うと「Hiroshimaが格変化したから」なのですが、では、何という格になったのか。

ラテン語の格一覧

その前にこの辺りでいいかげん、ラテン語にはどんな格があるのかを紹介しておきましょう。

これまで、語尾変化パターンを載せる時に5つの格を書いていました。主格、属格、与格、対格、奪格です。与格以外は既に読んできた文の中に出てきました。基本的にこの5つの格は押さえておく必要があります。

そして、この基本的な5種類の格以外に、もう2つ特別な格があります。放送大学の授業「ラテン語の世界」でも、「あまり出てきませんが…」という前提で紹介されていました。呼格と地格です。

今回出てきたHiroshimaeは、固有名詞のHiroshimaが地格に変化したものです。原文でこんなに早くお目にかかるとは私も意外でした。Hiroshimaに-eが付くことで、「広島で」という場所を表しています。

anno 2000

広島で、の後に2000が出てきているので、きっと「2000年」という意味だろう、と推測できますが、調べてみましょう。

annoはそのままでは辞書には載っていませんが、年を表す単語だと思って眺めてみると、近辺にずばりな単語があります。

annus -i, m 年

このannusが格変化してannoになったのですが、ではどの格になったのか。annusの変化パターンを見てみましょう。

annoが2つありますね。与格と奪格です。ここでは奪格として使われています。

時を表す奪格

今までに出てきた奪格は、

in Asia Orientali 東アジアに

と、前置詞inの後に奪格が来て「〜に」という意味になるお決まりのパターンでした。

そして今回は、奪格のannoと数字(今回は2000)が一緒になって「2000年に」と時間を表す意味になる、これまたお決まりのパターンのようです。この場合は前置詞はいらないんですね。

奪格は私もあまり馴染みがないのでまだよくわからないのですが、こういう使われ方もするようです。

constitutus

最後の単語です。Perfumeは「広島で2000年に」どうなったのか。ここまで来れば、そして似たような英単語があったような気が?と思い至れば意味を推測できますがやはり辞書を引きましょう。

constituo -ere -titui -titutum 立てる、置く

ここで、「日本を読む」編の前半の最後、positaを思い出してください。
これは、ponere(置く)の語尾変化パターンの最後に出てきた、positumの女性形で、「置かれた」という過去分詞でした。

もう一度、ponereの辞書の見出しを確認しておきましょう。

pono -ere posui positum 置く

constitutusも、constituoの最後に書かれている-titutumが変化したもので、役割としては過去分詞になります。辞書に載っている他の意味も考慮すると、ここでは「結成された」という訳がよさそうです。

constitutusは過去分詞の男性形ですが、ではなぜ男性形が使われているのか。これは、結成されたのが「グループ」で、前半に出てくるgrexに係っているからです。grexは男性名詞なので、constitutusも男性形になったんですね。

まとめ

これで文の分析が終わりました。前半と一緒に訳すと、

「Perfumeは、2000年に広島で結成された、ポップミュージックの、日本人女性シンガーでありダンサーのグループです」

となります。だんだんラテン語にはどんな特徴があるか掴めてきたでしょうか。

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